ジップエアの口コミ・評判・感想
■ZIPAIR Tokyo(株式会社ZIPAIR Tokyo:)
JAL100%子会社の格安航空会社LCC。成田空港を拠点とし、主に中長距離国際線の就航を目指した格安航空会社です。2020年10月に成田~ソウル線で初就航しました。さらに、バンコク、ハワイ、ロサンゼルスと路線を展開しています。
ジップエアとは?
2018年に設立された、JAL100%出資の格安航空会社LCC。2019年3月に「ZIPAIR Tokyo」というブランド名と会社名を発表しました。
拠点は成田空港で、2020年5月にバンコク線で就航する予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響で延期。2020年10月16日に成田~ソウル(仁川)線で旅客便の運航がスタートとなりました。当初は近距離路線で実績を積み、その後、中長距離路線を展開していくという戦略で、2021年12月に、当初の目標であった太平洋路線(ロサンゼルス)へ進出しました。
「ZIPAIR」の名称は、英語で、矢などが素早く飛ぶ様子を表した擬態語“ZIP”から生まれた造語とのこと。「フライトの体感時間が短い」エアラインであることを表現しています。社名については「東京」を冠して『ZIPAIR Tokyo』としました。機材はボーイング787-8型機です。
ジップエアの口コミ・評判・感想まとめ
- 圧縮ファイルのように詰め込まれそうな会社名。
- アメリカ路線やヨーロッパ路線にはLCCがないので、期待大。
- シートピッチは大手航空会社と変わらない。
ジップエアの運賃・料金制度
ジップエアは2クラス制で、ビジネスクラス相当の「ZIP Full-Flat」と、エコノミー相当の「Standard」があります。それぞれ変動価格で、予約時の値段が表示されます。6歳以下の旅客には「U6(0~6歳)」運賃が設定されています。機内手荷物は7kgまで持ち込み可能で、受託手荷物や座席指定は有料です。
スタンダード席の座席は「非常口座席または最前列座席」「前方通路・窓側」「後方通路・窓側」「リクライニング不可」「その他」の5種類に分けられ、それぞれ座席指定料金が異なります。
機内持込手荷物は、規定サイズ(1 個目:40×25×55㎝、2 個目:35×25×45㎝)を満たす合計2個までです。重さは 7㎏ までが無料です。超過した場合は、追加料金を支払わなければならず、その場合でも上限は合計12㎏です。
受託手荷物は、3辺の和が 203㎝ 以下が規定サイズで、規定サイズ内に収まる荷物を合計5個まで預けられます。重さは1個あたり14kg、23㎏、32㎏で料金が異なります。手荷物料金は「1個あたり」なので、なるべく荷物はまとめましょう。スポーツ用品は別にルールが定められています。
機内食も別料金です。カレーや蕎麦、オムライスなどが用意されています。価格は1,000円台~2,000円台です。基本的には事前購入制(予約制)で、メニューにより出発の72時間前もしくは24時間前に購入しなければなりません。予約なしで機内で買えるのはスナック類など一部です。
機内で利用できるアメニティも販売しています。ブランケット、耳栓、アイマスク、ネックピロー、スリッパなどです。これらも事前購入制です。
座席指定や手荷物、機内食などがセットになったサービスパッケージもあります。ベーシックなのが「Value」で、事前座席指定と受託手荷物、機内食がセットです。LCCに乗り慣れていない人は、「Value」を選んでおけば、普通の飛行機と似た感覚で利用できるでしょう。
身軽な旅の人は「Biz」がいいでしょう。事前座席指定と機内持込手荷物の追加分(12kgまで)がセットになっています。受託手荷物はありません。
最高のサービスパッケージが「Premium」で、事前座席指定、受託手荷物、機内持込手荷物追加分(12kgまで)、機内食、アメニティがついています。普通の飛行機と同水準以上のサービスを求めるなら、選択するのもいいでしょう。
ジップエアの手数料
※東京~ソウルの例です。
- 非常口座席または最前列座席指定
- 1,500円
- 前方通路側・窓側座席指定
- 800円
- 後方通路側・窓側座席指定
- 500円
- リクライニング不可座席指定
- 100円(窓側、通路側、中間共通)
- その他座席指定
- 300円
- 事務手数料
- 1,000円~2,000円(電話、空港カウンターで予約、購入時のみ必要)
- 機内持込手荷物
- 重さ 7kgまで 無料(2個まで)
重さ12㎏まで 2,000円(事前予約のみ) - 受託手荷物
- 重さ14kgまで 3,000円
重さ23kgまで 4,000円
重さ32kgまで 5,000円 - スポーツ用品
- ゴルフ用品、スキースノボ用品、3辺の和が200㎝以下のサーフボード 5,500円
自転車、3辺の和が200㎝より大きなサーフボード 8,000円 - Value
- 事前座席指定、受託手荷物、機内食がセット。4,600円
- Biz
- 事前座席指定、機内持込手荷物がセット。2,200円
- Premium
- 事前座席指定、受託手荷物、機内持込手荷物、機内食、アメニティがセット。7,200円。
ジップエアのマイレージ・サービス
ジップエアのマイレージ・サービスはありません。
ジップエアの口コミ・評判・感想
ジップエアは、中長距離路線を担う格安航空会社LCCとして、JALが設立しました。日本~アメリカ本土、ヨーロッパへのLCC路線は存在しないので、未開の領域に切り込むLCCとして期待されています。
ただ、長距離路線では、LCCのビジネスモデルである「小型機による高頻度運航」をしづらいので、価格的に大手よりきわめて安いわけではありません。大手航空会社よりは多少手頃、という程度です。そのぶん、座席などサービスレベルも大手に引けを取らず、「高品質LCC」といった感じでしょうか。何よりも「JAL100%子会社」という安心感があります。
機材はボーイング787-800型機を使用。長距離を飛べる中型機で、経済性の高い機材はこれしかない! という選択です。近距離LCCが主に使用しているボーイング737型機に較べれば大きいので、常に高い搭乗率を維持するのに苦労するかもしれません。
座席数は、長距離路線だけに詰め込みにはならず、エコノミーのシートピッチは大手航空会社並みです。ただ、大手でもJALの国際線はゆったりしているので、それよりは窮屈です。
ジップエアの感想まとめ
JALはLCCの黎明期には距離を置いていて、ジェットスター・ジャパンに33%の出資をするだけでした。しかし、時代が動くなかで、ジェットスターへの出資比率を50%に引き上げただけでなく、自社100%出資のLCCが必要という立場に代わり、ジップエアを立ち上げたといえます。
とはいえ、いまさら自社LCCで近距離路線に参入してジェットスターと競合するわけにもいかず、新規参入の余地がある中長距離路線に狙いを定めた、というのが実情のようです。
利用者からすれば、どんな事情であれ安い航空会社が増えるのはいいことで、欧米路線を飛ぶ新LCCに期待する声は多いです。
中長距離路線のLCCは、世界的にも実績が少なく、ジップエアがどの程度の価格やサービス水準で落ち着くのかは、なんともいえません。最低運賃は大手よりだいぶ安いですが、実勢運賃がどの程度で安定するかは、もう少し見て行く必要がありそうです。
※口コミ、評判は、当サイト関係者の乗車した印象や、実際に乗った人からの感想を集めたものです。公平を心がけていますが、主観が混じっていますので、ご了承下さい。