格安航空会社LCCの座席
格安航空会社LCCは価格が安いですが、乗り心地はいまひとつ……、という感想が多く寄せられています。実際はどうなのでしょうか。ここでは、座席を中心に乗り心地を解説します。
座席は大手よりも数センチ狭いことが多い
格安航空会社LCCの飛行機は、ほとんどがエコノミークラスのみで、シートピッチも狭いです。
どのくらい狭いかというと、シートピッチや座席幅が、大手の飛行機よりもだいたい3〜5cmくらい狭いと考えておけばよいでしょう。足の長い人や、太った人には窮屈に感じられますが、小柄な女性からはあまり気にならない、との声も多いです。
ただし、座席の広さは会社や機材によってかなり異なります。LCCなのに「座席の広さ」をウリにしている会社もあるほどです。たとえば、アメリカのジェットブルー航空の座席ピッチは34インチ(86.4cm)と、既存の大手航空会社よりも広めです。
また、大手航空会社と同じ水準の座席の会社も少なくありません。スカイマーク、エア・ドゥ、ソラシドエアなどの新興航空会社系は、大手航空会社とほぼ同じシートピッチです。ジェットスターは国内線は狭いですが、国際線のシートピッチは大手航空会社とほとんど変わりなく、JALと共同運行しているほどです。ジップエアも、多くの大手航空会社と同じシートピッチです。
さらに、大手航空会社よりもシートが豪華な場合もあります。スターフライヤーがその代表格で、全座席がJALの「クラスJ」に近い水準です。「大手より安い運賃で、大手より豪華な座席」を実現している、といえます。
LCCだから狭い、という先入観は捨てよう!
ということで、当サイトが調べたところでは、格安航空会社LCCだからといって、座席が狭すぎて困るというほどではない、ということが言えます。
たしかに、ピーチやジェットスター・ジャパンといった本格的LCCでは、大手航空会社に比べてやや詰め込んでいます。とはいえ、たとえ詰め込み型であっても、「苦痛で仕方がなかった」という感想はほとんどありません。飛行機の座席は欧米人でも乗れるようになっていて、日本人は体型がそれほど大きくありませんから、ゆとりがあるのです。
また、中堅航空会社のスカイマークやエア・ドゥなどは大手とほとんど変わりありませんし、スターフライヤーは大手よりも豪華です。海外LCCでも、あまり詰め込んでいない会社もあります。
ビジネスクラスもあり
格安航空会社LCCのなかには、ビジネスクラスを持っている会社もあります。代表例がエアアジアXのプレミアムシートで、乗った人の感想では、「大手航空会社のビジネスクラスを想像するとがっかりするが、プレミアムエコノミーと考えれば十分」ということです。エアアジアXのプレミアムの場合は、シートテレビがなかったり、ラウンジが使えなかったりという差はありますが、座席はゆったりしているので利用価値は高い、とのこと。
ジェットスターのビジネスクラスになると、いちおうラウンジもあります。が、これもJALやANAのラウンジを想像するとがっかりするそうです。また、シートも、エコノミークラスよりは広い、という程度で、やはり「プレミアム・エコノミーの水準」と考えた方が良いでしょう。
初の太平洋路線を開設したジップエアのビジネスクラスは本格的で、フルフラットになります。中長距離をメインにしたLCCならではの設備です。